Skip to content

Commit

Permalink
3.1.5.洪水ハザードマップの視認性を向上 修正done
Browse files Browse the repository at this point in the history
  • Loading branch information
ShogoHirasawa committed Jan 4, 2024
1 parent 5eadc16 commit f26e9e2
Showing 1 changed file with 9 additions and 8 deletions.
17 changes: 9 additions & 8 deletions main.md
Original file line number Diff line number Diff line change
Expand Up @@ -175,6 +175,7 @@ Raspberry Piは教育や研究,趣味のプロジェクトなど,多岐に
本節ではシステム構成を示した後に,洪水災害時のオフライン環境下で本システムの運用フローについて述べる.まず,本システムのアーキテクチャーを図9に示す.

<palign="center">

<imgwidth="600"alt="image"src="https://github.com/ShogoHirasawa/2023-syuron/assets/29940264/1faa8025-ab91-4a47-aad8-91b697aeed67">
</p>

Expand Down Expand Up @@ -236,7 +237,7 @@ Raspberry Pi 4を稼働させるため,本システムではモバイルバッ
(図14Raspberry Pi 4にインストールしたOSの詳細)
</p>

次にRaspberry Pi 4のアクセスポイント化とWebサーバー化の実装について述べる.本研究ではRaspberry Pi 4をアクセスポイント化させ,イントラネットを構築すると同時に,Raspberry Pi 4内にWebサーバーを立ち上げることで,オフライン環境下でもスマートフォンのブラウザを通じてハザードマップにアクセスできるシステムを構築した.本システムは,Apache2,hostapd,dnsmasqと呼ばれる三つのオープンソースソフトウェアパッケージにより構成される.Apache2は世界で最も普及しているWebサーバーソフトウェアの一つであり,ユーザーリクエストに応じてWebページや画像,その他のデータを配信する機能をRaspberry Pi 4に提供する.これをRaspberry Pi 4内に構築することで,Webサーバーとして機能させることができる.hostapdは無線LANデバイスをアクセスポイントとして機能させるためのソフトウェアであり,Raspberry Pi 4に接続されるスマートフォン等の各デバイスの管理を担う.hostapdインストール後,hostapd配下(/etc/hostapd/)にhostapd.confを作成し,以下の記述を行うことで,Raspberry Pi 4のWi−Fi接続時に求められるSSID,パスコード等を設定する(図15).また,Wi-Fiに接続するためのSSID,パスコードをQRコード化することにより,スマートフォンのカメラでQRコードをスキャンするだけでRaspberry Pi 4に接続が可能となる(図13).利用者が仮にSSID,パスコードを忘れる等の事態が発生してもハザードマップにアクセスすることができる設計にした
次にRaspberry Pi 4のアクセスポイント化とWebサーバー化の実装について述べる.本研究ではRaspberry Pi 4をアクセスポイント化させ,イントラネットを構築すると同時に,Raspberry Pi 4内にWebサーバーを立ち上げることで,オフライン環境下でもスマートフォンのブラウザを通じてハザードマップにアクセスできるシステムを構築した.本システムは,Apache2,hostapd,dnsmasqと呼ばれる三つのオープンソースソフトウェアパッケージにより構成される.Apache2は世界で最も普及しているWebサーバーソフトウェアの一つであり,ユーザーリクエストに応じてWebページや画像,その他のデータを配信する機能をRaspberry Pi 4に提供する.これをRaspberry Pi 4内に構築することで,Webサーバーとして機能させることができる.hostapdは無線LANデバイスをアクセスポイントとして機能させるためのソフトウェアであり,Raspberry Pi 4に接続されるスマートフォン等の各デバイスの管理を担う.hostapdインストール後,hostapd配下(/etc/hostapd/)にhostapd.confを作成し,以下の記述を行うことで,Raspberry Pi 4のWi−Fi接続時に求められるSSID,パスコード等を設定する(図15).また,Wi-Fiに接続するためのSSID,パスコードをQRコード化することにより,スマートフォンのカメラでQRコードをスキャンするだけでRaspberry Pi 4に接続が可能となる(図13).利用者が仮にSSID,パスワードを忘れる等の事態が発生してもハザードマップにアクセスすることができる設計にした

<palign="center">
<imgwidth="600"alt="image"src="https://github.com/ShogoHirasawa/2023-syuron/assets/29940264/72ac21ac-fb03-4425-8a13-78456f4b2dd7">
Expand All @@ -256,11 +257,11 @@ dnsmasqは,ネットワーク上のデバイスに対してDNSサーバーの
(図16dhcpcd.confに記述した内容)
</p>

固定のIPを設定することにより,洪水ハザードマップにアクセスするためのURLが決定する.本検証では「172.16.0.1」を固定IPと設定したので,「http://172.16.0.1」がハザードマップのURLとなる.これらのパッケージを組み合わせることで,Raspberry Pi 4を基点にしたイントラネットを構築し,オフライン時においてスマートフォンのブラウザアプリケーションを通じて地図データを提供することが可能となった.
固定のIPを設定することにより,洪水ハザードマップにアクセスするためのURLが決定する.本検証では「 172.16.0.1 」を固定IPと設定したので,「 http://172.16.0.1 」がハザードマップのURLとなる.これらのパッケージを組み合わせることで,Raspberry Pi 4を基点にしたイントラネットを構築し,オフライン時においてスマートフォンのブラウザアプリケーションを通じて地図データを提供することが可能となった.

####3.1.4.多様なOSに対応したシステム設計

「2.3.オフラインハザードマップの先行研究」で述べたように,既往研究で示されたオフラインデジタルハザードマップにおいては,特定OSでのみ利用が可能となっている.これにより,特定のプラットフォームやデバイスを利用している人のみがハザードマップにアクセスできる状態になっており,それ対応OS以外を使っている場合,ハザードマップにアクセスすることができない.この問題に対処するために,本研究ではOSに依存しないブラウザベースの描画方法を採用した.既往研究では,アプリケーションベースでハザードマップを配信していたため,特定のプラットフォームに依存せざるを得ない状態になっていた.ブラウザアプリケーションを通じてハザードマップを描画することで,特定OSへの依存を解消した.本システムはFirefox,Chrome,Safariといった主要なウェブブラウザに対応しており,ユーザーがどのようなOSを使用していても,どのようなスマートフォンを持っていても,同様のアクセス体験を提供する(図17).ブラウザアプリケーションからの表示方法を実践することで,洪水災害時のオフライン環境において,様々なOSに対応したハザードマップ閲覧手法を確立することができる.
「2.3.オフラインハザードマップの先行研究」で述べたように,既往研究で示されたオフラインデジタルハザードマップにおいては,特定OSでのみ利用が可能となっている.これにより,特定のプラットフォームやデバイスを利用している人のみがハザードマップにアクセスできる状態になっており,対応OS以外を使っている場合,ハザードマップにアクセスすることができない.この問題に対処するために,本研究ではOSに依存しないブラウザベースの描画方法を採用した.既往研究では,アプリケーションベースでハザードマップを配信していたため,特定のプラットフォームに依存せざるを得ない状態になっていた.ブラウザアプリケーションを通じてハザードマップを描画することで,特定OSへの依存を解消した.本システムはFirefox,Chrome,Safariといった主要なウェブブラウザに対応しており,ユーザーがどのようなOSを使用していても,どのようなスマートフォンを持っていても,同様のアクセス体験を提供する(図17).ブラウザアプリケーションからの表示方法を実践することで,洪水災害時のオフライン環境において,様々なOSに対応したハザードマップ閲覧手法を確立することができる.

<palign="center">
<imgwidth="600"alt="image"src="https://github.com/ShogoHirasawa/2023-syuron/assets/29940264/d9cdedac-9f33-488e-9f06-8d709d4fcc84">
Expand All @@ -270,13 +271,13 @@ dnsmasqは,ネットワーク上のデバイスに対してDNSサーバーの
(図17各種ブラウザアプリケーションからのアクセス)
</p>

利用者はブラウザの検索窓にRaspberry Pi 4から配信されるハザードマップのURLを入力することで,閲覧が可能となる.しかし,本システムのURLはドメイン名ではなくIPアドレスで表記されているため,入力ミス,URLを忘れる等のヒューマンエラーが起きやすいと想定される.このような背景から事前にURLをQRコード化させ,スマートフォンのカメラで読み込むだけでブラウザにURLが自動入力されアクセスできる手法を確立した.「3.1.2システムアーキテクチャ」でも述べた通り,QRコードによるアクセス手法を確立することで,URLを検索窓に入力してアクセスする手法よりも,ハザードマップ表示へのハードルを低くすることができた.
利用者はブラウザの検索窓にRaspberry Pi 4から配信されるハザードマップのURLを入力することで,閲覧が可能となる.本システムのURLはドメイン名ではなくIPアドレスで表記されているため,入力ミス,URLを忘れる等のヒューマンエラーが起きやすいと想定される.このような背景から事前にURLをQRコード化させ,スマートフォンのカメラで読み込むだけでブラウザにURLが自動入力されアクセスできる手法を確立した.「3.1.2システムアーキテクチャ」でも述べた通り,QRコードによるアクセス手法を確立することで,URLを検索窓に入力してアクセスする手法よりも,ハザードマップ表示へのハードルを低くすることができた.

####3.1.5.洪水ハザードマップの視認性を向上

洪水ハザードマップは平常時に事前に準備しておくことが記載された"防災教育型"と災害時における避難に活用が想定される"避難型"に大別できる(谷垣内,2005).本システムで表示するハザードマップは"避難型"であり,洪水災害発生時の避難を支援する目的で作成した.利用者に適切な避難を促す使いやすく,見やすいハザードマップを作成するには,文字数はできるだけ少なくシンプルに,避難所等のランドマークを目立たせその他の情報はできるだけ厳選することが求められる(関谷・田中,2008).上記を踏まえ本システムで表示するハザードマップでは,文字情報の表示と図のシンプル性と重要な情報とそうでないものを考慮したデザインを施行した.本節では,作成したハザードマップデザインの工夫点について論じる.
洪水ハザードマップは平常時に事前に準備しておくことが記載された"防災教育型"と災害時における避難に活用が想定される"避難型"に大別できる(谷垣内,2005).本システムで表示するハザードマップは"避難型"であり,洪水災害発生時の避難を支援する目的で作成した.利用者に適切な避難を促す使いやすく,見やすいハザードマップを作成するには,文字数はできるだけ少なくシンプルに,避難所等のランドマークを目立たせその他の情報はできるだけ厳選することが求められる(関谷・田中,2008).上記を踏まえ本システムで表示するハザードマップでは,文字情報の表示と図のシンプル性と情報の重要度を考慮したデザインを施した.本節では,作成したハザードマップデザインの工夫点について論じる.

まず,文字数に関しての工夫点を述べる.文字数を減らすことが見やすいインターフェイスの条件ではあるが,凡例の説明や避難所の名称等においては詳しく書かざるを得ない.これを考慮し,レイヤーの表示・非表示機能を使うことでハザードマップの表記と説明文を共存できるようにした.凡例部分では,まず洪水災害時に危険箇所とされる,浸水域,低地,傾斜地を避けるように促す警告文を赤背景に文字色を黄色にすることで目立たせて表示した.下部には浸水深の凡例と避難所の説明を記述した.凡例部は左上に位置する「閉じる/開く」ボタンをクリックすることで,表示と非表示が切り替えられる(図18).利用者がハザードマップの浸水域や避難所を閲覧する際には,凡例部分を非表示にすることで,表示情報が煩雑にならなくなる.レイヤー機能を追加し,表示と非表示を任意に切り替えることで文字数とインターフェイスの煩雑性の問題を克服した.
まず,文字数に関しての工夫点を述べる.文字数を減らしシンプルなデザインにすることが見やすいインターフェイスの条件ではあるが,凡例の説明や避難所の名称等においては詳しく書かざるを得ない.これを考慮し,レイヤーの表示・非表示機能を使うことでハザードマップの表記と説明文を共存できるようにした.凡例部分では,まず洪水災害時に危険箇所とされる,浸水域,低地,傾斜地を避けるように促す警告文を赤背景に文字色を黄色にすることで目立たせて表示した.下部には浸水深の凡例と避難所の説明を記述した.凡例部は左上に位置する「閉じる/開く」ボタンをクリックすることで,表示と非表示が切り替えられる(図18).利用者がハザードマップの浸水域や避難所を閲覧する際には,凡例部分を非表示にすることで,表示情報が煩雑にならなくなる.レイヤー機能を追加し,表示と非表示を任意に切り替えることで文字数とインターフェイスの煩雑性の問題を克服した.

<palign="center">
<imgwidth="600"alt="image"src="https://github.com/ShogoHirasawa/2023-syuron/assets/29940264/db6d2540-615a-495e-b563-f190de71c0dd">
Expand All @@ -286,7 +287,7 @@ dnsmasqは,ネットワーク上のデバイスに対してDNSサーバーの
(図18凡例部分の表示と非表示の切り替え)
</p>

次に,洪水ハザードマップに掲載する重要情報を目立たせるために行った工夫について述べる.避難時に重要となる浸水予想域,浸水予想深度及び避難所を目立たせるために,ベースマップの配色に注目した.ベースマップをモノクロを基調とした配色スキームを採用し,浸水情報を青系統,避難所を赤にすることで,ベースマップの視覚的なノイズを減少させ,重要情報な情報のみを際立たせるが可能となった(図19).ベースマップの配色を作成するにあたり,(地理院地図Vector(仮称),2020)を参考にした.また,避難所のポイントをクリックすることで,避難所名,エレベーターの有無,避難スペースが1回にあるか,スロープの有無,点字ブロックの有無,多様性に配慮したトイレの有無,備考を表として確認することができる(図20).これらの情報を活用することで,体の不自由な方や高齢の方がいた場合に,避難所のステータスを確認した上で避難先を検討することができる.右上のバツ印をクリックすることで,凡例部分と同様に表示と非表示を切り替えることができる.
次に,洪水ハザードマップに掲載する重要情報を目立たせるために行った工夫について述べる.避難時に重要となる浸水予想域,浸水予想深度及び避難所を目立たせるために,ベースマップの配色に注目した.ベースマップをモノクロを基調としたカラーリングにすることで,浸水情報を青系統,避難所を赤にすることで,ベースマップの視覚的なノイズを減少させ,重要な情報をより際立たせることが可能となった(図19).ベースマップの配色を作成するにあたり,(地理院地図Vector(仮称),2020)を参考にした.また,避難所のポイントをクリックすることで,避難所名,エレベーターの有無,避難スペースが1回にあるか,スロープの有無,点字ブロックの有無,多様性に配慮したトイレの有無,備考を表として確認することができる(図20).これらの情報を活用することで,体の不自由な方や高齢の方がいた場合に,避難所のステータスを確認した上で避難先を検討することができる.右上のバツ印をクリックすることで,凡例部分と同様に表示と非表示を切り替えることができる.

<palign="center">
<imgwidth="600"alt="image"src="https://github.com/ShogoHirasawa/2023-syuron/assets/29940264/e3aa9ed5-ce56-4fbc-b176-372b55b28802">
Expand All @@ -304,7 +305,7 @@ dnsmasqは,ネットワーク上のデバイスに対してDNSサーバーの
(図20避難所の詳細表示)
</p>

本ハザードマップでは,洪水災害時の避難において重要となる標高の可視化も行った.標高表示は従来の等高線や標高数値を記載する手法ではなく3D表現を用いて,低地や高地,傾斜地の視認を促した.次節では標高の3D表現の実装理由と実装手法について述べる.
本ハザードマップでは,洪水災害時の避難において重要となる標高の可視化も行った.標高表示は従来の等高線や標高数値を記載する手法ではなく3D表現を用いて,低地や高地,傾斜地の認知を促した.次節では標高の3D表現の実装理由と実装手法について述べる.

####3.1.6.標高情報の3D表現(書き途中.MapLibre GL JSの部分をどうやって肉付けするか)

Expand Down

0 comments on commit f26e9e2

Please sign in to comment.