Visual Studio 2013とQt 5.5でビルドできることを確認しています。
- https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=44914
- Qt 5.5がVisual Studio 2015に対応していないため、2013を使う必要があります
- Express版はターゲットプラットフォームごとにバージョンが分かれています。「for Windows」ではなく「for Windows Desktop」を使用します
- Community版やProfessional版などでも構いません
- https://cmake.org/download/
- Visual Studio用のプロジェクトファイルの生成に使用します
- 本リポジトリをcloneします
- 以下の説明中の
$opentoonz
は、本リポジトリのrootを表します - Visual Studio 2013はBOMの無いUTF-8のソースコードを正しく認識できず、改行コードがLFで、1行コメントの末尾が日本語の場合に、改行が無視されて次の行もコメントとして扱われる問題があるため、Gitに下記の設定をして改行コードをCRLFに変換すると良いでしょう
git config core.safecrlf true
サイズの大きいライブラリはこのリポジトリには含めていないので、別途インストールする必要があります。
- http://download.qt.io/official_releases/qt/5.5/5.5.1/
- クロスプラットフォームのGUIフレームワークです
- 現在はQt 5.6には対応していません
- 上記のURLから以下のファイルをダウンロードして適当なフォルダにインストールします
- qt-opensource-windows-x86-msvc2013_64-5.5.1.exe
- http://www.boost.org/users/history/version_1_55_0.html
- 上記のURLからboost_1_55_0.zipをダウンロードして解凍し、boost_1_55_0を
$opentoonz/thirdparty/boost
にコピーします - Visual Studio 2013用の下記のパッチを当てます
- CMakeを立ち上げる
- Where is the source codeに
$opentoonz/toonz/sources
を指定する - Where to build the binariesに
$opentoonz/toonz/build
を指定する
- 他の場所でも構いません
- チェックアウトしたフォルダ内に作成する場合は、buildから開始するフォルダ名にするとgitから無視されます
- ビルド先を変更した場合は、以下の説明を適宜読み替えてください
- Configureをクリックして、Visual Studio 12 2013 Win64を選択します
- Qtのインストール先がデフォルトではない場合、
Specify QT_PATH properly
というエラーが表示されるので、QT_DIR
にQt5をインストールしたフォルダ内のmsvc2013_64
のパスを指定します - Generateをクリック
- CMakeLists.txtに変更があった場合は、ビルド時に自動的に処理が走るので、以降はCMakeを直接使用する必要はありません
下記のファイルをコピーします
$opentoonz/thirdparty/LibJPEG/jpeg-9/jconfig.vc
→$opentoonz/thirdparty/LibJPEG/jpeg-9/jconfig.h
$opentoonz/thirdparty/tiff-4.0.3/libtiff/tif_config.vc.h
→$opentoonz/thirdparty/tiff-4.0.3/libtiff/tif_config.h
$opentoonz/thirdparty/tiff-4.0.3/libtiff/tiffconf.vc.h
→$opentoonz/thirdparty/tiff-4.0.3/libtiff/tiffconf.h
$opentoonz/thirdparty/libpng-1.6.21/scripts/pnglibconf.h.prebuilt
→$opentoonz/thirdparty/libpng-1.6.21/pnglibconf.h
$opentoonz/toonz/build/OpenToonz.sln
を開いてRelease構成を選択してビルドします$opentoonz/toonz/build/Release
にファイルが生成されます
$oepntoonz/toonz/build/Release
の中身を適当なフォルダにコピーしますOpenToonz_1.0.exe
のパスを引数にしてQtに付属のwindeployqt.exe
を実行します
- 必要なQtのライブラリなどが
OpenToonz_1.0.exe
と同じフォルダに集められます
- 下記のファイルを
OpenToonz_1.0.exe
と同じフォルダにコピーします
$opentoonz/thirdparty/glut/3.7.6/lib/glut64.dll
$opentoonz/thirdparty/glew/glew-1.9.0/bin/64bit/glew32.dll
- バイナリ版のOpenToonzのインストール先にある
srv
フォルダをOpenToonz_1.0.exe
と同じフォルダにコピーします
srv
が無くてもOpenToonzは動作しますが、mov形式などに対応できませんsrv
内のファイルの生成方法は後述します
既にバイナリ版のOpenToonzをインストールしている場合、この手順とレジストリキーの作成と同様の処理が行われているため、これらの手順は不要です。
$opentoonz/stuff
を適当なフォルダにコピーします
- レジストリエディタで下記のキーを作成し、Stuffフォルダの作成でコピーしたstuffフォルダのパスを記載します
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\OpenToonz\OpenToonz\1.0\TOONZROOT
OpenToonz_1.0.exeを実行して動作すれば成功です。おめでとうございます。
OpenToonzはQuickTime SDKを用いてmov形式などへ対応しています。QuickTime SDKは32ビット版しかないため、t32bitsrv.exe
という32ビット版の実行可能ファイルにQuickTime SDKを組み込み、64ビット版のOpenToonzはt32bitsrv.exe
を経由してQuickTime SDKの機能を使用しています。以下の手順ではt32bitsrv.exe
などと合わせて、32ビット版のOpenToonzも生成されます。
- http://download.qt.io/official_releases/qt/5.5/5.5.1/
- 上記のURLから以下のファイルをダウンロードして適当なフォルダにインストールします
- qt-opensource-windows-x86-msvc2013-5.5.1.exe
- Appleの開発者登録をして下記のURLから
QuickTime 7.3 SDK for Windows.zip
をダウンロードします
- QuickTime SDKをインストールして、
C:\Program Files (x86)\QuickTime SDK
の中身をthirdparty/quicktime/QT73SDK
の中にコピーします
- 64ビット版と同様の手順で、次のようにフォルダ名とターゲットを読み替えます
$opentoonz/toonz/build
→$opentoonz/toonz/build32
- Visual Studio 12 2013 Win64 → Visual Studio 12 2013
QT_DIR
には32ビット版のQtのパスを指定します
$opentoonz/toonz/build32/OpenToonz.sln
を開いてビルドします
- 64ビット版のsrvフォルダの中に下記のファイルをコピーします
$opentoonz/toonz/build32/Release
から- t32bitsrv.exe
- image.dll
- tnzcore.dll
- Qtの32ビット版のインストール先から
- Qt5Core.dll
- Qt5Network.dll
$opentoonz/thirdparty/glut/3.7.6/lib/glut32.dll
Qtの翻訳ファイルは、ソースコードから.tsファイルを生成して、.tsファイルに対して翻訳作業を行い、.tsファイルから.qmファイルを生成します。Visual Studioソリューション中のtranslation_
から始まるプロジェクトに対して「translation_???
のみをビルド」を実行すると、.tsファイルと.qmファイルの生成が行われます。これらのプロジェクトはソリューションのビルドではビルドされないようになっています。